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面接

はじめに

 作業療法において面接ってとても大事だと私は思います。しっかりやればクライアントがどんな人なのか、どんな作業が意味のあるものなのか、どのプログラムに適応するのか、何のためにやるのか等をしっかり情報収集や共有ができるものです。作業療法の中心はクライアントであり、クライアントの作業であることを忘れてはなりません。

 しかしながら、同時に労働者は、雇用主中心であるという矛盾と闘いながらバランスを取らなければなりませんね!

 

一般的に

 私はとりあえず下の三つの教科書を見てみましたがだいたい似たようなことが書いています。

 

 

 

 

 面接の目的や種類、注意点、環境設定、座る角度とかが書いてあります。養成校に在学したことがある人は必ず購入した教科書のどれかに面接に関する項目があり、それは大体同じような内容だと思いますのでそちらをご参照ください。


それ以外の

 少ないながらも、ちゃんとした作業療法士の方々が面接について記載している文章や動画が少しございましたので、リンクを張っておきます。教科書+アルファーの助けになるかもわかりません。

 こういうちゃんとした、できる人がしっかりアウトプットしてくれていると非常に学べますし、本当にうれしく思い助かります。

 

①作業療法の面接で意識したほうがよいことby京極真の研究室

 

COPM to good use(OT面接)by琉球OT

 

 

 

 

 

 

 

③ADOCインタビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が思うこと

 上記のいろいろを見た上で私が一番大切に思うことは面接の目的と方法です。おそらく作業療法士以外の職種も面接を行うと思います。だったら重複するような面接をするのであれば、ただクライアントの負担が増えることと、OTRの負担が増えるだけのものであって、ほんのちょっとラポールができるくらいで意味が薄いように思います。

 作業療法士が行う面接ですから、目的を作業中心に構成していく必要があるのではないかと考えます。その面接目的を達成するために事前に得たクライアントの情報を元に面接内容の構成や用いるツール等を選択していく事が重要と考えます。

面接の流れ

 私が考える「良いのでは無いか?」と考える面接の流れ記載いたしますので良かったら使ってみてください。

 正しいとは限りませんので鵜呑みにしないようにお願いします。

 

☆1面接する前に

STEP1 まずはしっかりと情報収集(作業療法処方箋が出たら)

 まずは、情報を元にその人がどんな人か予測します。そしてどんな作業がフィットするかとか、面接ができる病状なのか予測します。

 言語性IQ 動作性IQとか分かっていれば情報提示方法も工夫できたりもしそうです。

 

STEP2 チラ見

 病棟場面をちらっと観察して情報と現実のクライアントのイメージを深めます。そしてちらっと挨拶なんかして直接触れてみても良いでしょう。

 

STEP3 方法の選択

 ①なにかツールを使うのか?使わないのか?使うんだったら生活行為向上マネジメントの生活行為聞き取りシートとか興味チェックリストとかCOPMとかA-DOCとかOSAⅡとかいろいろなツールがあるのでクライアントに合わせて選択(みんな統一したほうが管理はしやすいかもしれないが)。

 ②週間プログラムをどう説明するか?文字だけの表で良いのか?画像を入れたほうが良いのか?現物の道具や作品を持ってきた方が良いのか?選択。

 ③どこでやるか?プライバシーは必ず守られてる必要があるが、まじめにきっちり話したほうが良いタイプがフランクに話したほうが良いタイプかで場の硬さを配慮。

 ④いつやるか?OTRの時間が空いていて、他の検査などが無い時間で、できればクライアントの調子が良い時間が良いが・・・・

 ⑤なぜやるかは、きっともう決まっているはずだ!

 ⑥誰とやるか、入院から作業療法処方の期間が長く対人緊張が高いクライアントならば、信頼関係が出来ていて安心できる看護師さんに入ってもらった方が良いかもしれない・・・

 

STEP4 アポイントメント(非構成的面接ともいえなくも無いが)

 いきなり「いまから、○○の話をするので」と言われても困りますよね。内容と関係性にもよりますが、私だったらいきなり知らない人が良くわかんない話をするから来てくれと言われたら嫌です。なので、私はアポイントメントは必要だと考えます。

 ①自分のやること病棟看護師に連絡や相談。可能ならば紹介してもらったりもアリかも・・・

 ②本人に会い挨拶(爽やかに、ニヤニヤせずに)

 ③自分が何者かを説明(ここでちょっと情報からCLとの共通点などを開示してみたり)

 ④自分が何者かで何の話を何時するのか説明し同意を得る

 ⑤必要に応じて面接時までCLにも少しだけ考えてもらう(好きな作業とか、A-DOCの紙媒体や興味チェックリストを渡しても良いかもしれない)

 ⑥別れの挨拶をする。

 

私はこれをインテークとしています。

 

☆2面接本番

 ①挨拶&迎えに行く(体調チェック&約束の確認)

 ②移動(当たり障りの無く不快ではない会話を展開)

 ③到着(座る位置とかしっかり90度法)

 ④面接開始

 STEP1改めて挨拶し、改めて自己紹介

  緊張するかもしれないが早口には注意。ゆっくり落ち着いて、堂々と、きょどらない。

  (自信なさそうな専門職に仕事を依頼したくないですよね。)

 STEP2作業療法とは?を分かりやすく説明。今日話す目的と内容の確認し、同意してもらう。

作業療法をどいう風に説明するかはクライアントの理解力や性格等を考慮。

私の場合は、

 

「先日少し話しましたが改めまして私作業療法士の〇〇と申します。今回しんどい思いをされ入院されて本来の□□さんらしい生活が出来なくなっていると思います。作業療法士の仕事は、入院環境で出来ることが一部限られますが、今後、本来の□□さんらしい生活が行えるように支援する仕事です。今日は、これから□□さんが本来の生活をおくれるよう手伝わせていただくために、□□さんがどんな事を大切にしていて、どんな事に困っているのか話を聞かせていただいてもよろしいですか?」

と言ってたりします。

それぞれ、その施設や対象者によってもっと良い説明の仕方があるかと思います。

 STEP3ツールや話術を使い作業の焦点化を行う。

  ツールの項目だけを埋めるのではなく、時間内でしっかりストーリーや背景、想い等を拾う。

  しっかりと共感し、場に応じた表情やジェスチャー、相槌など行う。

  相手の表情やジェスチャーなどもしっかり観察。

 ※せっかく話してくれているのだから否定や批判したくなることもあるが我慢してしっかり話を聞く!正しくないことに同調することは危険!確実に出来なさそうな要望の約束をするのも危険!

 ※この場面を記憶しACISのスコア付けるのもありかも?

 

 STEP4焦点化した作業を何を目的に行うかを共有する。

  行う作業に意味づけをする事により作業療法に参加する価値を高める。

  目的の無い作業を回避する。  

 ※この場で考えられなければ一度持ち帰り、後日目標設定し合意を得る!

 

 STEP5、週間プログラムを説明し、意味や興味のあるものに導入を促し可能ならば同意を得る。

  焦点化した作業と合致する週間プログラムの日時・場所を説明する。 

 

 STEP6 必要に応じて週間プログラムに当てはまらない作業のフォローをどうするか検討・説明

  個別対応するのか?他職種に依頼するのか?現実的にはできないのか?

 

 STEP7、次回作業療法で会う約束をし、お礼を言って終わる

  

 ⑤、送っていく(面接の中で快と感じたであろうものや賞賛できることを中心に雑談)挨拶して終了

 

☆3面接をした後に

 ①まとめよう

​  (情報や治療方針をまとめよう。)

 ②病院の規模や部署の風習にもよるが自分の部署で共有しましょう。

  (何かアドバイスもらえるかも?プログラム担当が自分とは限らないので情報共有)

 ③他職種の担当者間で打ち合わせをしましょう

  (目的・目標の共有や週間プログラムに無い焦点化された作業のフォローの検討)

  (全体的な方向性や今後の連携の打ち合わせなど)

 

 

 

という具合に私は行いますが、どうでしょうかぁ・・・?

きっと皆さんいろいろな考えがあると思います。

 

​なかなか自分以外のOTRの面接を見る事はありません。なので、もっともっと凄いOTRの面接を見せてもらってスキルアップするのも良いかもしれませんね(^^♪

ボロボロですね(笑)
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